部下の育成で悩む上司へ【古い指導は逆効果です】

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こんにちは。アイルです。


皆さんも会社で部下や後輩の指導をした経験があると思います。


過去に自分が上司や先輩からしてもらった指導と同じようにしても、なかなかうまくいかない。。。


という経験をした人も多いと思います。


今回はそういった方に「どう部下と接したらいいか」についてお話しします。

部下を成長させられない上司

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私も初めて部下を持った時に、今まで上司から教えられてきたことをそのまま教えようとしていました。


他にも

・仕事は自分がやっているのを見せて覚えさせる。
・出来ないところ徹底的に指摘して直させる。
・できるまで同じことをなんどもさせる。

と、今では私の黒歴史になる指導をしていました。


しかしこのやり方では全く部下の成長が見られず


「なぜ自分ができることも出来ないのか」

「自分の教え方が悪いのか」

「でも自分も言われた通りにしている」

「自分より物覚えの悪い、使えない奴なんじゃ無いか」

「残念な部下に当たってしまった」

と、だんだん出来ない部下が悪いのではと思うようになっていました。


しかし、指導方針を大きく変えた結果、今ではその部下は他部所から「是非うちに来て欲しい」と言われるほど優秀な社員になっています。


また、他部所で「全く使えない」と言われた人が私の部下になったこともあります。


その人も今では部署内の情報を管理・整理し、業務をやりやすくするための「縁の下の力持ち」になっています。


なぜこの人たちはこんなにも変わったのでしょうか。


チャレンジしたくなる環境を作る

私が部下の教育に当たって徹底したことの一つ目は

チャレンジしたくなる環境を作る

ことです。


これは失敗と成功を経験してもらうという事になるのですが

・早い段階で失敗を経験させて慣れさせる

・簡単な作業を多く与えて慣れさせる

というものとは全く違います。


私がしてもらったチャレンジは

課題を与え、全てを部下に自分で考え、調べてもらう

ということです。


そしてそのために

・間違えていたら成功になるまで考え、調べてもらう

・迷惑のかかる場所には予め根回しをし、部下の行動で起きる影響を全て事前に吸収しておく

・意見は出すが絶対に否定はしない

・必要な材料と権限を全てその部下に渡す

ということをしました。


これだけでは分かりにくいと思うので、もう少し具体的にお話しすると



私のいた会社ではシステムをお客様に提供しており、保守開発をしながらお客様からの問い合わせを受けるチームが4つありました。


しかし、部署内でどのお客様からどんな問い合わせがきてどう対応したかがチーム内ですら十分に共有されておらず、各自の知識に頼りきっていました。


そこで私は

「部署内で問い合わせの情報を一元管理する仕組みを考えて欲しい」

という指示を部下にしました。


その指示を出す前に、私は部長、取締役、社長に事情と趣旨を説明し、社内公認のプロジェクトとして堂々と動ける環境を作りました。


そしてメンバーが必要といえば管理職しか参加しない会議へ一緒に参加して意見を求めたり、直接お客様との会話できる場を作りました。


当然事前に全ての資料を確認し「これなら」というもので挑みはするのですが、当然全てがうまく行くことはなく「何を考える」とお叱りを受けることもありました。


そういったときは、部下と一緒に次の手を考えながら、一緒に謝罪に回るということもありました。


しかし、最後には自分の部署内だけではなく、会社全体で使われる巨大な仕組みにまでなるシステムと運用を作り上げてくれました。


おそらく「失敗を経験させる」「成功を経験させる」だけでは、ここまでの成果を上げることは出来なかったと思います。


何度失敗しても大丈夫と思える環境と、本来自分には無いレベルの権限を持って「自分で調べ」「自分で考え」「自分で行動した」事によって大きく成長することができ、結果として大きな成果を上げることができたと思っています。


新人の部下にいきなり権限を委譲して好きにさせ、その責任を全て自分がとる


普通ではあまりやらない教育方針だと思いますが、私は周りの人が「新人だからしょうがない」とまだ思ってくれる間に、出来るだけ色々な経験をしてもらうのが、会社のリスクも少なく一番成長できるチャンスだと思っています。


いいところを徹底的に探して伸ばす

私が部下の教育で徹底したことの二つ目は

どんな些細なことでも良さを見つけてのばす

ということです。


これも少し実例を交えてお話しします。



他部所で「全く仕事を覚えない」「覚える気もない」と言われていた人が、私の部下として来られたことがあります。


その人ご本人も定年も近く今から新しいことを覚えるのは難しいし、定年まで静かに会社に居たいと言われていました。


そうは言われても遊んでいてもらうわけにもいかず、どうにか出来る仕事がないかと悩んでいました。


そんな時にたまたま読んだ本に

「人には必ず良いところがある」

「それが見つからないのは、見る側に問題がある」

という記載があり、ものすごく恥ずかしくなったのを覚えています。


それまで私は「その人は何もできない」ということを大前提にして、何が出来るかを必死に探していました。


でも、できないと思っている人に対しては「出来ない」としか見ないですよね。


それから私は「どんな小さな事でも、その人が出来ている事」を手帳にメモするようにしました。


手帳には

「遅刻をしない」

「コピーが取れる」

「◯◯の作業はできる」

「挨拶ができる」

「毎日机の雑巾がけがで出来る」

「落ちているゴミが拾える」

と、本人に見られてたら「こんな当たり前のことも出来ないと思っていたのか」と怒られる内容も思いつく限り全て書いていました。


そしてその書き出した「出来ることリスト」の中からほんの少しだけ難しいことをお願いして、それが出来ればまた出来ることリストに書き加えていくということをしていました。


出来ることリストの中身は全て仕事に関係しているというわけではなかったのですが「整理整頓ができる」「責任んかんは人一番強い」「単純作業の制度が高い」と言ったことがわかってきました。


良いところさえ分かれば、それを活かせる業務を見つけるか作れば良いので、良さを伸ばせる仕事をどんどんお願いしていきました。


そうすると半年も経った頃には、チーム内で使っている紙の資料や共有している電子ファイルの管理までを一手に引き受けて管理してくれるまでになりました。


さらにそこから部内の資料の整理も全て任せられるようになり、監査や問題が起きた時に必要な書類は、その人にいえば全て揃うと言われるほどになってくれました。


部内では約40人が働いており、年間300件近い案件が動いていたので、その資料全体を把握し、整理してくれる人の存在は他では変えられないほど貴重な存在になりました。


徹底的に話をする

私が部下の教育で徹底したことの三つ目は

その人と徹底的に話をする

ということです。


これは新しく来た部下だけの話ではありませんが、特に新しく来た人とは些細な事でも聞くようにしましたし、逆に些細な事でも話をするようにしました。


自分にはあまり関係のない話でも、話をしてもらえるとやっぱり嬉しいですし「何を話しても良い」と思ってもらいやすくなります。


どうしても悪い話は上司にしにくいですし「これは関係ない」「まだいう必要はない」と思っている内容が意外と重要なことはよくあります。


そう言った情報をいち早くキャッチできることはとても重要です。



そしてそれ以上に「楽しい」環境になると思っています。


楽しくない環境で100%の力を出すことなんてできませんし、周りの人も楽しくなくなってしまいます。


まとめ

世の中にはどう頑張っても成長が見込めない人も確かにいます。


しかし、そう言った人の評価を一変させることができるのも、上司ならでは楽しみではないでしょうか。


私は上司の仕事の人は、部下が「仕事が楽しくてしょうがない」と言ってもらえるようにすることだと思っています。


楽しい職場、信頼できる上司であれば、自然と力を発揮してくれると思います。