議事録を書くことは嫌な仕事ですか?【実は隠れたメリットがります】
会社員をしていると、日々様々な打ち合わせに参加すると思います。
打ち合わせをすると必ずと言っていいほど必要になってくるのが「議事録」です。
議事録があると後から「言った」「言わない」の議論を避けることができるので、大事な打ち合わせであればるほど、その価値は上がっていきます。
しかし、重要な会議であればあるほど、また会議が長ければ長いほど、議事録を書くのは大変で嫌な作業です。
私も入社したての頃は議事録を書くのが一番の仕事で、一番嫌な仕事でした。
しかし、議事録を作るメリットとちょっとしたコツを覚えてからは、議事録作成があまり苦にならなくなりました。
今回は議事録を「書く側」のメリットと、ちょっとしたコツをご紹介します。
議事録を書くメリット
会議結果を関係者全員で共通認識にできる
これは議事録を書くことの目的でもあるので、あえて言うほどでもないかもしれません。
人間はどう頑張っても全てのことを記憶し続けることはできません。
そのため会議の中でも特に重要な「決定事項」「課題(タスク)」を文章として残しておく必要があります。
最近では音声ファイルを議事録がわりとして残すところも出てきていますが、重要な会議であればあるほど、文章として残すケースが多いです。
文章になっているメリットとしては、後から必要な内容を検索しやすいことがあげられます。
音声ファイルでも後から内容を遡ることができますが、必要な発言を探し出すのにどちらが早いかは言うまでもないでしょう。
お客様と「言った」「言わない」の余計な水かけ論を避けるためにも、文章でさっと検索できる議事録が残っているのは安心できる要素になります。
また、相手も内容を確認して合意を取れているものであれば、最悪の場合の法的証拠として使うこともできます。
「最悪」を回避するためにも議事録が残っているのは重要なことになります。
打ち合わせ内容の理解度が桁違いに上がる
多くの会議は一つの議題を話している途中でも、いろいろな方向に話が飛んでしまい、どれが議事録に書くべき内容かが分かりにくいです。
そのため議事録を作るためには、内容をしっかりと聞いて内容を把握、本当に必要な会話がどこか理解する必要があります。
逆を言うと議事録が書けていると言うことは「その会議の中で話されている大事な内容をきっちりと理解できている」と言うことです。
しかも、ただ会議に参加しているだけの人と比べ、内容理解度において圧倒的な差が生まれます。
会議の内容が十分に理解できていると、当然その他の業務にその情報を生かすことができます。
今の社会人にとって情報は何よりの武器になりますので、この差はかける労力をはるかに超えたメリットになると言えます。
文章を書く力(要約する力)が身に付く
発言録と違い、議事録は会議中の会話をそのまま書くのではなく「必要な部分を必要なだけ要約して書く」ことが求められます。
この「必要な部分」とは
・決定事項
・決定した経緯
・決定者(合意者)
・課題
・課題の担当者
・課題の期限
などがあげられます。
こういった内容を文章として分かりやすく残しておくことで、後から見返したときに、必要な内容をすぐに見つけることができます。
この要約は「要点をまとめる」ことが必要になりますので、普段の会話やメールでも要点だけを伝えることが出来るようになります。
さらに要点だけを纏めて話すことが出来るようになると、忙しい上司に好かれやすくなります。
議事録を早く書くためのコツ
会議によって議事録のレベルを変える
どうしても
「どの会議でも同様の質で議事録を書く必要がある」
と思ってしまいがちですが、これは間違いです、
・チームメンバーとの会議
・社内で上司を交えた会議
・お客様を交えた会議
3っつとも同じ「会議」ですが、会議の重要度も同じでしょうか?
お客様との会議は信頼関係や費用の話に発展する可能性があり、最悪の場合訴訟問題にまで発展する恐れがあります。
それに比べ「上司を交えた会議」「チームメンバーとの会議」ではそこまで厳密ししなくても、十分対応ができます。
つまり議事録として残しておく質についても、
「それぞれの会議の重要度」
に合わせて変えていけばいいのです。
また、どうしても議事録作成には時間がかかってしまいますので、社内の会議でそこまで多くの時間を使うのはもったいないです。
例えば
・チームメンバーとの会議
ホワイトボードに書いたメモを議事録として共有する
・社内で上司を交えた会議
決定事項と課題、期限だけを書いた議事メモを共有する
・お客様との会議
決定事項やその経緯、課題や期限などをきっちりと文章として共有する
といった形で議事録を作成しても、十分効果はあります。
大事なのは議事録を書くことではなく
「決定事項とタスクを会議内容を共有すべき人に不足なく伝わること」
です。
議事録を予め作っておく
これはある程度会議の内容が予測できるか、自分で会議のコントロールができるときに特に有効な手法です。
会議資料やアジェンダから、会議の中で話されると思う内容を、予め箇条書きで書いておきます。
あとは会議で実際にその話が出たときに、その内容を補完すれば議事録が出来上がります。
特に会議の内容をコントロールできる立場のときは、その項目に沿って会議を進めればいいので、会議の進行も非常にしやすくなります。
また、予め主題を予め書き出しておくと、重要な話が出るポイントがある程度予測できるので、会議内容の理解度も非常に高くなります。
しかし、会議資料がなくコントロールできる立場でもない時もあると思います。
そんな時は、上司や先輩にざっと内容をヒアリングしておいたり、勘でもいいので主題になりそうなものをメモっておくことをお勧めします。
上司や同僚に聞きに行く
議事録作成中に聞き取れていない会話があると、予め録音しておいた音声を聞いて思い返すことをすると思います。
しかし、マイクから遠い人や早口な人、小声な人や複数人の声が重なっている時など、音声も聞き取りにくく、内容が十分に把握できないことがあります。
そんな時は一緒に会議に参加していた上司や同僚に相談をしてください。
そのときに気をつけるのは
「可能な限り早く聞きに行く」
ということです。
誰でも時間が経てばたつほど、会議の内容を忘れてしまいます。
そうなってしまう前に聞き取れない箇所について相談してください。
実際の会話内容が明確に分からなくても、ある程度の予測をつけて音声を聞くことが出来るようになれば、今まで聞き取れなかったことが聞き取れるようになることもあります。
一人で抱え込んで悩むより、早めに上司や同僚に相談をしてください。
完璧な議事録を作る必要はない
「そんなもの議事録として意味がない」
と思われるかもしれませんが、完璧な議事録を最初から作る必要はありません。
議事録は自分が作った後に参加者や関係者に共有し添削をしてもらいます。
つまり多少内容が分からないところがあったとしても、添削結果を議事録に反映すれば、自然と完璧な議事録が出来上がります。
そのため、完璧な議事録にこだわって時間をかけすぎるよりは、早い段階で参加者や関係者に共有する方がはるかに重要になります。
ここで勘違いして欲しくないのですが、
「適当に書いて添削してもらえばいい」
と言っているわけではありません。
添削をしてくれる相手も自分の時間を割いて添削をしてくれています。
「中途半端な仕事しかできない」と思われてしまうと、自分の信頼は一気に落ちます。
できる限り自分で議事録を作り、どうしても聞き取れない箇所をマーキングするなどをして相手が気持ちよく協力できるようにすることも重要です。
番外編
あまりいい事ではありませんが、議事録を書く人の特権として
「自分に都合の良い言い回し」
で議事録を作ることができます。
特に曖昧な感じで会話が終わってしまった時などに、言い方を少し工夫する事で多少自分の都合の良い感じに修正できたりします。
しかし、いくら都合の悪い会話内容だったとしても「うそ」だけは絶対に書いてはいけません。
議事録は相手にも添削してもらうのが原則になりますので、嘘を書いていることが分かった時点であなたの信頼は無くなります。
まとめ
議事録を書くメリットとちょっとしたコツを書きましたが、突き詰めると
「受け持った仕事をどういう気持ちで受け取るか」
「どれだけ事前準備をするか」
になります。
嫌な仕事を嫌々するのではなく、少しでも自分にメリットが出来る工夫をすることで、最高に楽しい仕事に変えることができます。
議事録だけではなく、他の業務でも同じようにメリットを探してみると、普段の仕事の見え方が大きく変わってきます。